生きている以上、時として問題を抱えることになります。

そもそも問題とはなんでしょうか。
問題とは「理想と現実の差に苦しんでいる状態」です。
自分が望ましいとする風景が「理想」、一方、眼前のありようが「現実」。
レストランに行って、サラダが食べたかったのに、じゃがいもの冷製スープが出てきた時、サラダでなければだめだと思った時に、問題が生じます。
じゃがいもの冷製スープ自体が問題ではなく、またそれを出されたことも問題ではありません。「理想とは異なった現実に対するネガティブな認識」が問題なのです。
問題とは現実そのものではなく、認識のことを示します。

ですから、理想を持っていない・・・・・・場合は、問題は生じません。
例えば、自動車が発明され普及した直後にはすでに都心に渋滞が発生したのですが、当初、ただ自動車がゆっくりと進む状態がそこにあるだけで、それは問題ではありませんでした。しかし、もっと早く目的地にたどり着きたいという思いが生じた時に「渋滞
」という概念が”発見”されることによって、問題として扱われるようになりました。
パソコンが誕生したとき、それを持ち運べないことは問題ではありませんでしたが、問題だと認識されたことによってノートパソコンが生まれました。ノートパソコンが手のひらに収まらないことは問題ではありませんでしたが、問題だと認識されたことによってスマホが生まれました。

理想と現実の差をネガティブに捉えることによって問題が生まれます。そして、問題を解決しようとする試みによって問題は消えていきます。

問題に対し解決に取り組めなかったり、取り組んでも上手くいかないこと、それが本当の問題です。

人がカウンセリングに関心を持つ時、きっとその人は今まさに理想と現実の間に大きな隔てを感じ、それを解決できず、悩みを抱えている状態です。カウンセリングは、この本当の問題に取り組みます。

本当の問題を抱えた時の悩み苦しみは本当につらいものです。そのつらさゆえに、現実を都合よく解釈したり、現実から逃げたりしたくなります。誰かに味方になって共感してもらおうとしたり、あるいはLINEをブロックするなどの行動に走ります。しかし、真摯に向き合い、それを乗り越えることが成長につながることは言うまでもありません。

現実を理想に近づける(解決)にせよ、理想を現実に近づける(受容)にせよ、問題が大きなほど、人は大きく成長できるのです。
日本史上最悪の戦争のあと、日本史上最大の成長が訪れました。平和も悪くありませんが穏やかな衰退をもたらします。
人生も同じです。

カウンセラーは来談者の寄り添いながら、真の成長を願っています。