ここ数年、マインドフルネスを中心とした「瞑想」への関心が急速に高まっています。その契機となったのは、マサチューセッツ大学のジョン・カバット・ジンによる「マインドフルネスストレス低減法(MBSR)」の提唱です。この手法が科学的エビデンスとともに世界中に広まり、国内でも2010年代以降、関連する論文が急増しました。

現在では、書店にはマインドフルネス関連の書籍が100冊以上並び、インターネットにも膨大な情報があふれています。さらに最近では、スマートフォン向けの瞑想支援アプリも数多く登場し、身近な存在となりつつあります。

私自身は20年ほど前に瞑想と出会い、当時論文をまとめたこともありましたが、これほどまでに一般に広まるとは想像していませんでした。これは、現代の高ストレス社会の中で、多くの人々が「心の癒やし」「落ち着き」「安心感」といった内的な充足を求めていることの現れだと感じています。

身体のケアとしてスポーツジムに通うのが当たり前になった今、次に「心のトレーニング」として瞑想に注目が集まるのは、ごく自然な流れです。しかし、その広がりがあまりに急であったために、内容や方法に誤解や混乱が生じています。

瞑想は、目に見えない繊細な「心」に働きかける行為であり、正確で丁寧なアプローチが不可欠です。書籍やネットを参考に独学で取り組んでも効果を感じられず、すぐにやめてしまうケースの多くは、方法が適切でなかったことに起因します。

正しいやり方で瞑想を行えば、自分自身をリラックスさせ、思考が明瞭になり、他人や社会に対しても、寛容な目を持てるようになります。

当カウンセリングルームでは、室長によるカウンセリングを受けている方は、ご希望に応じて実際に瞑想を実践する時間を設けています。ご希望の方は、カウンセリング時にその旨を直接お申し出ください。※追加料金はかかりません。

追記:禅との違いについて
瞑想とよく混同されるものに「禅(坐禅)」があります。外見上は似ていても、方法論には大きな違いがあります。関心のある方は、室長にご相談ください。